調剤薬局で働く薬剤師の派遣求人をたまに見かけることがありますが、実際のところ薬剤師を採用するにあたり、積極的に派遣を使うことはほぼ皆無と言えるでしょう。
やむを得ない場合や突発的な人員補給で派遣薬剤師を使うことはあっても長期的に受け入れることはほとんどないと言っても過言ではありません。
では、調剤薬局が派遣を嫌うその理由とはどのようなことなのでしょうか。また調剤薬局においてどんな派遣薬剤師が採用されやすいのかを検証してみたいと思います!
これから派遣登録をして調剤薬局で働くことを考えている薬剤師の方、必見です!
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派遣薬剤師が嫌われる理由でトップなのが『人件費がかかる』ということです!
派遣で働く場合の雇用主は派遣会社になるために、調剤薬局側は派遣会社に手数料を支払わないといけません。
例えば、求人に載っている薬剤師の時給が2,450円の場合…派遣会社に支払う時給は約3,500円!!!
仮に、1日6時間勤務、週5日、月20日勤務の派遣を雇ったら…1人の薬剤師を雇うのに月に42万円もコストがかかってしまう計算になります。これなら直でパートを採用した方が圧倒的に安上がりなんです。
うっかりお手軽に利用できる派遣薬剤師を使えば下手をすれば常勤や管理薬剤師の年収を軽く超えてしまうことも珍しくありません。いくら儲かっていても人件費がかかり過ぎるとあっという間に倒産してしまいます。
よほどしっかりとした資本や財力を持った薬局ならば話は別ですが、個人経営の調剤薬局で派遣薬剤師を見かけることはほとんどありません。逆に大手企業が運営している調剤薬局の方が派遣を導入しているケースは多いんです。
時給が良い派遣を掛け持ちしようと考えている薬剤師もいるとは思いますが…ほとんどダブルワークを受け入れてくれる調剤薬局はありません。
実は、派遣薬剤師の中にはかけもちで調剤薬局やドラッグストアで働く、いわゆるダブルワークを希望する人も存在するのです!忙しい時間だけピンポイントで派遣薬剤師として働いてもらうことは調剤薬局としては、とても助かるし時短なら人件費もさほど掛からないから双方にとって良いのかと思いますよね。
しかし、現実はダブルワークを受け入れてくれる調剤薬局はほとんどありません。黙っていれば可能かもしれませんが、バレたら契約は打ち切りになるでしょう。
調剤薬局はオーナーが薬剤師である個人経営者がほとんどなので局内の機密事項を外へ漏らされると即座に閉局してしまうほどのダメージを受けてしまうのです。薬価や点数、レセプト情報を社員以外の人間が入手することは絶対に避けておきたいのが大きな理由です。
調剤薬局では棚卸し時に不動在庫が発生することがあります。期限切れだと薬品メーカーに返品も出来ないし局内で処分するしかないことは周知の通りです。
しかし派遣薬剤師全てとは言いませんが福利厚生?の代わりに持って帰りたがる傾向があるのは事実なんです。
薬剤師の派遣会社が容認しているとも耳にしたことがありますが、だからと言って違法ではないので調剤薬局側は何も言えないのが現状です。
常勤の薬剤師は健康診断や薬の割引など福利厚生が充実している中、派遣薬剤師は雇用先はあくまでも派遣会社なので現場でしか受ける事が出来ない福利厚生は指をくわえてみているしかないのです。
医療業界に休みが少ないのは当たり前ですが、薬剤師ももれなく医療従事者として国民の健康を守るために自分の時間を削っています。
急患や調剤ミス、公益の処方せんであろうが飛んで行き投薬をするのが薬剤師としての当たり前のことですよね。
しかし、派遣薬剤師となれば時間で管理されているのでどんな状況であろうが自分の用事が優先されてしまうので当然のことながら投薬も強制終了となります。
もちろん人によりますが、ピッキングなどをしている途中ならまだ許せるのですが投薬中や疑義をしている最中に「では帰ります」と平気で言ってしまう薬剤師もゼロではありません。
調剤薬局の投薬経験は数年あったので経験品目も問題なく、即戦力として2週間だけの派遣薬剤師として採用が決まりました。人間関係も良好で帰国しても常勤で採用してもらう約束も取付けたので一石二鳥となりました。
2週間で大体20万円ぐらい稼げたので助かりました。派遣会社の担当に事情を説明したらすぐに紹介してくれたことも良かったです。
結婚と同時に旦那の転勤が決まってしまい1カ月間、週3回、1日5時間の勤務で働きました。
投薬もなしでひたすら一包化をやり続けていたけど時間給2700円でした。私の場合は派遣会社の営業担当者さんに条件を伝えたらその日のうちに近場の薬局を紹介してもらえました。時間で割り切って働いていたので気分的にも楽でした。
常勤やパートでは絶対に好条件での採用は望めないのが定年を迎えた60代の薬剤師です。定年後の採用となると昇給は望めません。そうは言っても生活費は今まで通りの額が欲しく派遣を利用しました。
派遣登録時に勤務時間が長い調剤薬局を狙い、夜の遅い時間のシフトのみで担当者に探してもらいました。その結果、人が嫌がる時間帯に対しての積極的な態度が功を成し上手く派遣薬剤師としての仕事が見つかりました。
高時給がもらえるということが一番のメリットです。アルバイトの時給は1,800円~2,500円と言われていますが、派遣は2,300円~3,500円などかなりの高収入が期待出来ます。
さらには短期間で稼げるので目的があれば尚更、達成しやすいのが派遣薬剤師と言えるでしょう。離職中でも短期の派遣でがっぽり稼ぐことが出来る派遣薬剤師なのでライフスタイルに合わせて利用してみることをオススメします!
雇用側の調剤薬局の意見を聞けばやはり責任ある仕事は任せてもらえないのが一般的だという事です。薬剤師としてのキャリアアップを望んでいる人には派遣薬剤師は向いていないというのが現実でしょう。
キャリアを積み薬剤師としての生涯職業を全うすることを目指している薬剤師からすれば高時給を貰っている派遣薬剤師はありえない存在なのです。このことから調剤室での人間関係の悪化、さらには居場所がなくなり早期終了となってしまうことも多々あるでしょう。
派遣で薬剤師を考えている方は必ずMUST条件とWANT条件を明確にしておきましょう。ここがはっきりしていれば派遣会社側も仕事が見つけやすいですし、曖昧だと紹介されたときにピンとこない求人を紹介されることも多くなってしまいます。
派遣という働き方は時給や自分の条件で働けるなどメリットはたくさんあります。しかし調剤薬局側はできるだけ派遣を使いたくないというのが本音…穴埋め的な立場で採用されているということは忘れてはいけません。
同じ調剤薬局で長く働きたい人には向いていませんし、例え契約が終わってしまっても「次探せば問題ない」ぐらいの気持ちを持たないと派遣で働くのは厳しいかもしれません。
まずは1人で決めないことがとても重要になってきます。「こういう働きかがしたいんだけど、どんなはたらき方を選ぶべきか」をサイトの担当者に相談をしてみて下さい。派遣も扱っている転職サイトであればヒアリングをした上で働き方のアドバイスをしてくれます。