いまの調剤薬局を辞めたい!または、病院やドラッグストアから調剤薬局に転職したい。
そう考えている薬剤師の方向けに、転職で失敗しないポイントと調剤薬局の基礎から応用まで、転職のコツを薬剤師転職のプロ目線でお伝えします。
調剤薬局の求人数の多さはメリットですが、目移りして決められない……なんて方も多いでしょう。
単純に「前よりも年収が上がるから」「大手チェーン経営だから」という理由で求人を選んではいけません。
転職失敗の裏側によくある原因は、「●●●だからと思って転職したのに、自分が求めていたのは●●●ではなかった!」といった、自分自身の中に芽生えるギャップなんです。
だから、調剤薬局への転職で何を一番に求めているか、しっかりと自分でも理解しておくことが大事。
環境のいい調剤薬局を探しているのか、
自身の薬剤師としてのキャリアアップを求めて転職なのか、
それとも、調剤薬局の中でも給与が高いところを探しているのか………
あなたは今回の転職で、何を大事に求めていますか?
人間関係や年収アップなど、転職理由を7つのパターンに想定して、転職すべき調剤薬局のタイプをまとめました。自分に当てはまる項目はぜひチェックしてみてください。
・人間関係がいい職場に行きたい
・子育てしながら働き続けたい
・仕事はそこそこに稼ぎたい
・年収アップしたい
・福利厚生のいい薬局で働きたい
・専門知識を身に着けたい
・様々な処方箋を扱いたい
人間関係を気にするのであれば、店舗の規模が大きい中堅〜大規模チェーンの調剤薬局を中心に求人を見ることをオススメします。複数店舗経営であれば、ヘルプや配属替えで薬剤師の出入りがあるので、風通しのよさはあるでしょう。
やはり人数の少ないクリニックの門前薬局などは、働く人が固定化されてヒエラルキーができてしまいがち。相性が合う・合わないがパッキリ別れるので、避けたほうがいいですね。
ただ、薬局全体の規模が大きくても、1店舗あたりの薬剤師人数が少ないケースもあるので要確認。逆に、いっそ一人薬剤師で気楽に働く、という選択肢もあり。
間違いなく言えるのは、面接時に職場見学をしっかりするべき!
調剤室に書類が溢れるなど荒れている、なんだか薬剤師同士がギスギスしている、など、肌で感じてジャッジメントしてください。
・中堅~大規模チェーン調剤薬局がオススメ
⇒1店舗あたりの薬剤師人数がある程度あるのが大事。逆に一人薬剤師で気軽に働く、という選択肢もあり。
・面接時に職場見学をしっかりと!
⇒求人情報にない現場の空気感は目で見て確かめて。転職サービスのアドバイザーから裏情報を仕入れるのも有効。
子育てしながら調剤薬局で働きたい。そう考えるならば、家や保育園からの距離が近いのはもちろん、ママ薬剤師やパパ薬剤師に理解があるかどうかが鍵ですね。
産休・育休の取得実績がある薬局や、正社員でも時短勤務など対応している薬局、パートタイマーで幾人もママ薬剤師が働いている薬局、などがオススメです。
お子さんが小さいうちは、急な体調不良によるお休みなどもあるでしょう。そういった諸事情に対応できる人員がある程度ある、中堅規模以上の薬局がベター。
ただ、お子さんが大きくなってきたら、少人数でアットホームなクリニック門前薬局でまったり働いたり、派遣薬剤師として時間きっちり&プライベート重視で働くのもアリですね。
調剤薬局を選ぶからこそ、「そこそこ働いて、それなりに稼げる」というオイシイ求人は気になりますよね。
クリニックの門前薬局は、仕事量が少なくアットホームな職場が多くてオススメ。
ただし少人数な分人間関係が密になりがちなので、職場環境を見学して見極める&アドバイザーにしっかり食い込んで聞くことが大事。
忙しさの目安は、処方箋に対して人員がどれぐらいで配置されているかのチェックをぬかりなくしていきましょう。目安は、年間平均処方箋一人当たり40枚が理想(耳鼻科、眼科、歯科の処方箋は2/3枚で計算)。
あとは、ほぼ間違いなく忙しい総合門前やドラッグストアの併設調剤薬局を避けるのも大事。
派遣薬剤師として働くのもいいでしょう。仕事は仕事として割り切って働いて、残業もなくさっと帰ることができます。
ただやはり、好条件の薬局求人は人気なので、応募が早く集まりがち。
人気の求人をつかまえるには、ずばり、アドバイザーに正直にこちらの求める条件を遠慮なく言うこと。
アドバイザーとしては条件を明確に伝えてくれる転職者はありがたく、紹介できる求人のイメージは沸きやすいので、しっかりと要望を伝えてくれる求職者には、まだ公開されてない求人も先に教えてくれます。
・処方箋数を聞いて忙しさを逆算すべし
⇒1人当たりの処方箋枚数を確認!クリニック門前薬局はアットホームでよし。総合門前やドラッグストアの調剤併設は避けましょう。
・転職アドバイザーに伝える要望は明確に
⇒ライバルの多い求人なので、他の転職者よりも求人を紹介してもらいやすくしておく裏技を使うべし。アドバイザーに伝える条件は明確に!コミュニケーションをマメにとるのも◎
年収アップを第一に考えて調剤薬局求人を探すならば、運営企業の規模を見るのが大事です。大手チェーン経営より中小経営の薬局勤務のほうが手取りが高くなる傾向にあるのを、ご存知ですか。
なぜなら、大手は経営効率化に積極的なため、人件費以外にもに利益配分をしなければならないから。また、少ない人員で効率よく経営するため、忙しいわりにはお給料が……というケースもままあるのです。
また、管理薬剤師などの役職つきになればプラス年収50万〜100万円もありえるでしょう。
そして、忘れてならないのは勤務地の立地。大都市圏では薬剤師の年収はなかなか上がりませんが、過疎地に行けば年収800万〜。穴場の求人では年収1000万も夢ではありません。
今お住いの通勤圏であっても、「マイカー通勤可」と表記あるような車通勤必須な立地の薬局へ転職すれば、年収アップもありえるでしょう。
・中小規模、管理薬剤師、地方求人を狙え!
⇒大手=年収が高いわけではないのが、調剤薬局転職のポイント。年収アップだけを考えるなら、ドラッグストア転職も視野にいれてみて。
・転職エージェントを頼るべし!
⇒高年収求人は転職サービス側も決めたいので、求人探しから年収アップ交渉まで協力的。スカウトが受けられる薬キャリなどのサービスがオススメ。
大手チェーンの調剤薬局は給与額面は少なくても、福利厚生で待遇が底上げというのはぜひ押さえておいてほしいポイントです。
資格手当、住宅補助、扶養手当……様々に用意しているので、月収が減っても充実した福利厚生で生活が楽に……なんてケースもあるぐらいです。
中堅規模の薬局チェーンも徐々に整備が整ってきているので、ピンポイントで気になる薬局があればぜひ面接を受けてみましょう。
・経営規模の大きいチェーン&中堅がオススメ
⇒安定経営で基盤がしっかりしている大手は、すでに福利厚生が整っている傾向。
中堅以上の薬局も福利厚生を整える体力があるので、しっかり経営安定&歴史ある薬局を狙っていきましょう。
・福利厚生について面接では語らない
⇒面接官や経営者にとっては、福利厚生=働いている人への利益還元。だから働く前段階の「面接」では、福利厚生に期待しすぎるそぶりをみせないこと!
深く突っ込みたいならば転職エージェントを通して質問しましょう。
薬剤師として学び続けたいのであれば、勉強の機会が多い大規模チェーン、都市部で勉強会など参加しやすい中規模薬局がオススメ。地元の薬剤師会とのつながりがあるかもチェックしておきたいですね。
単一薬局でも、漢方薬局など専門性が高いところで学びたい、とマッチしているならぜひ一歩踏み出して、面接を受けてみましょう。
また、在宅医療に取り組む調剤薬局も増えてきています。無菌調剤室をつくり様々な調剤に対応する、というのは今後の調剤薬局経営としても利点が大きいです。
栄養療法・緩和療法など在宅医療は多様な調剤ができ、各種の専門薬剤師・認定薬剤師の勉強になる、資格が活かせるという点でも魅力的ですね。
・勉強の機会があるのは大規模チェーン・中規模薬局
⇒教育制度が整っているか、専門薬剤師・認定薬剤師への評価項目があるかなど確認!自分で聞きにくい質問は、転職サービスのアドバイザーを通して質問を。
・在宅医療に取り組む調剤薬局もオススメ
⇒一般的な処方箋調剤以上の経験がつめるので、スキルアップ・キャリアアップの転職先として在宅医療を行っている調剤薬局はおすすめです。
処方箋スキルは高めておきたい、転職の保険としても……と考える薬剤師もいるでしょう。
また、病院やドラッグストアからの転職、未経験からの調剤薬局の薬剤師は、不安に感じるポイントは「調剤薬局ならではの処方箋をこなせるかどうか」ではないでしょうか。
総合病院門前薬局は忙しい分、処方箋を多くさばけるのでお勧めです。特に若くて体力のある薬剤師はぜひチャレンジしてほしいです。忙しい分、給料も高めに設定されている傾向にあります。
薬の在庫も多く、1,000種類以上~多いところで4、5,000種類も常備していることも。
また、大手チェーンや中規模の複数店舗運営の薬局では、店舗異動やヘルプで複数の薬局勤務を経験できるチャンスがあります。同じ経営下の薬局でも、薬局によって使用する薬剤メーカーが違ったりするので、複数店舗での調剤経験はスキルアップのチャンスなんです。
積極的に薬局内でローテーションさせる経営方針の薬局もあるので、興味があればぜひ転職エージェントにリクエストしてみてください。
・総合病院の門前薬局は一番オススメ
⇒風邪から希少疾患まで、様々な経験が詰めるのは総合門前の調剤薬局。常備されている薬の在庫も豊富なので、先輩薬剤師に聞きながら知識を広げられる!
・複数店舗への勤務ができる、大手~中規模薬局もあり
⇒様々な専科の処方や薬剤メーカーの薬に触れられるチャンスが広がる。ヘルプや店舗異動が可能な、ある程度規模の大きい複数店舗経営の薬局を狙いましょう。
ドラッグストア&大手製薬>調剤薬局>病院
調剤薬局&大手製薬>ドラッグストア>病院
病院>調剤薬局>大手製薬>ドラッグストア
・営業時間が長い(例:9:00~21:00)
・土日も営業している
・総合病院の門前
・1人薬剤師である
いつも求人を出している薬局なのか、今回だけなのか
求人を出した過去があればどのぐらいのスパンで新規募集出したのかチェック!
求人募集が頻繁であれば、離職率の高いブラック求人の可能性あり
忙しいか、難しい仕事のケース大。高給の根拠をチェック!
キャリアアドバイザーは自分の意見を言ってくれる薬剤師、大歓迎!
要望・不満・疑問点をクリアした求人を新たに探してもくれる
若くて長時間働ける人しか続かない職場かどうか、チェックできるポイント
若い人や転職者が馴染みにくい原因が隠れているかもしれないのでチェック
長い間うまく職場がまわっていて欠員なかったケースもある。
書類が溜まっていないか、整理整頓がなされているかなどチェック
薬剤師が疲れている職場は、環境が荒れていることも多いからな
◆薬キャリ