ドラッグストア薬剤師は年収が高い。
この理由でドラッグストアを転職の選択肢にする薬剤師は多いと思います。
でも、マイナスな噂も多いので実際のところどうなのか。
そして、それがあなたにとって
耐えられるものなのか?耐えられないものなのか?
明らかにしてみますので、ぜひ参考にして下さい!
業界人の本音トーク
また多くのドラッグストアは営業色が少ないです。しかしその分、
成果を上げても給料には反映されません。
給料を上げるには長時間働くしか方法がないのが現実です。
しかも、売り上げなど数字ではない、”よくわからない何か”で評価されることが多いです。大手の場合、人事評価の項目自体ははっきりしていますが、結局その項目が可なのか不可なのかを決めるのが一人間なので、あってないようなものになっているのが現実です。
基本的に「お客様は神様」スタイルの経営が多いので、お客様側がどんなに理不尽なことをしてきても責任はこちらになります。
ただそうはいっても、基本的に薬剤師にはそれほど責任はいきません。
精神的な負担を負わせて辞められると困るからです。
一般社員の店長や副店長へ責任を負わせることが多いです。
全国どこに行ってもドラッグストアがある時代です。
その数はコンビニよりも多いので、競争が激しいのも当然ですね。
その厳しい環境の業界で、どのように行動すれば快適に働いていけるのでしょうか?
多くのドラッグストアには薬だけじゃなくて日用品、食品、化粧品、などいろんなものを扱っています。
・調剤薬、OTC薬(一般医薬品)を含むヘルスケア
・化粧品およびトイレタリーのビューティーケア
・日用品・家庭用品のホームケア
・食品のコンビニエンスケア
ドラッグストア薬剤師の業務 | |
---|---|
薬の説明を含めた接客 | もっとも基本的かつ薬剤師に期待される仕事。 |
レジ打ち | 基本的には担当しない。ただほかの従業員の休憩中などどうしても人員が足りないときに担当する。 |
品出し | 薬や健康食品の品出しは担当する企業もある。 |
発注 | 薬や健康食品の在庫を管理している以上、欠品しないように発注業務を任されることもある。 |
前進立体陳列 | 売れた商品の分、でこぼこになった商品棚をまわり商品を前に出す作業。客数の多い店舗では一日に何度も行う。 |
POP作成、POPつけ | チラシ品やキャンペーン品などの販促物を制作するのも仕事。 |
・店長
店舗のすべてを管理する責任者です。規模や売り上げの大きな店舗や、渋谷や新宿など都心の超繁華街の店舗になればなるほど、本部から評価の高い店長が就任しています。
・副店長
店長の補佐です。
行う業務は店長とほとんど変わりません。
・薬剤師(社員、パート)
あなたです。基本的には薬の相談販売がメインの業務になります。
・登録販売者(社員、パート)
第一類医薬品以外を販売する販売員です。店長は登録販売者なので兼務していることが多いです。ただ当然薬の販売以外の仕事も多く抱えているため、忙しい立場です。
・化粧品担当(美容部員)
化粧品のメーカーごとに担当が1~3名ほど配属されています。自分のメーカーの商品メンテナンスや接客が業務です。
・パートアルバイト
レジ打ちや商品補充、クリンリネスなどの実務です。
・本部マネージャー(SV)
店全体のマネジメント、業務指導、接客指導などを行います。
・メーカーの営業(製薬会社)
新商品やスポット品、ブーム品などの販促活動を行います。薬剤師には商品のいいところ、今までのものと何が違うのかなどの説明をしてくれます。
また店舗である程度の経験を積んだら本部での内勤に配属することもあります。
本部では経営的な業務や、バイヤー、財務、経理、人事、教育(研修やマニュアル制作など)、ウェブ担当など幅広い部署があります。
薬剤師の場合は主に人事や教育などへのキャリアパスが考えられます。
店舗での販売接客の経験だけでなく、一企業人として人事や教育にかかわることで新たなスキルも身に付けられるでしょう。
ただ多くの企業が薬剤師の勤務時間を増やしたい状況です。店舗で働くことが大前提。体調的な面でどうしても店舗勤務が難しい場合に多くなります。
それに自分が販売したいために他の業務を疎かにしたり、人から奪ったりすれば逆に関係は悪くなることもあります。
確かに企業によっては推奨販売する商品が決められていて、ノルマが設定されていることもありますが、「最優先はお客様」という考え方です。
いくら推奨品があっても基本的にはお客様の症状にあったものを販売して問題ありません。そういう意味では「売ること」に対する苦手意識がある人でもストレスなく続けられます。
少子化など消費減少の影響で、ビジネスモデルに限界がきている小売業。抜本的な変更が必要に迫られているのは確かでしょう。
結局、儲からなければ経営は圧迫され人件費を削ったり、払うべきものを払わなくなったり、どんどん健全でない経営になっていくのは必然です。
ドラッグストア | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
マツモトキヨシ | 732万円 | 45.0歳 |
サンドラッグ | 514万円 | 32.5歳 |
スギHD | 645万円 | 39.2歳 |
ツルハHD | 784万円 | 44.2歳 |
ココカラファイン | 643万円 | 44.3歳 |
また、今後のキャリアパスを考えた時に本部勤務でよりスキルアップをしたいと思う人も多いと思います。
その時にネックになるのが、手当の扱いです。
残業手当や薬剤師手当が店舗勤務の場合のみしか支給されない企業があります。
そのような企業は長期的に見た個人のキャリア形成について配慮していないため、避けたほうがいいでしょう。
年収は高いドラッグストア薬剤師ですが、「どんなスキルをつけられるか?」もキャリアパスを考えた時に重要です。
どんな経験ができるでしょうか?
まず簡単なところでは「OTC薬品への知識もつく」ことです。
家族や知り合いが健康について、薬剤師であるあなたになんらかの相談をしてくることもあると思います。そのような時にも病院の処方薬ではなく、一般用医薬品(OTC薬品)で対応できるならそのほうがいいですよね。
また、OTCと医療用医薬品を踏まえて、患者さんの状況に合わせて薬を選んであげる中で、それぞれの企業が推奨している医薬品を売ることもあります。
ただ相手に選ばせるのではなく、「売る」というセールス力も自分の意志次第では付けることができるわけです。
とは言っても、基本的にはそのジャンルでもっとも成分が良く、本当にオススメできる商品が推奨品に指定されていることがほとんどです。
本当は違う商品のほうが良いのに、利益が出るからといって中身が悪いものを売らなければいけないようなことは、まずありません。
どういうタイプのドラッグストアを選ぶと良いかの選択肢として、調剤薬局併設のドラッグストアがあります。
調剤の場合は、調剤室自体は少人数のため静か。激しいレジ打ちを長時間続けなければならないようなこともありません。
商品の補充や品出しなどの雑務を任されることもありません。
※この「調剤併設店」という形は、欧米諸国の薬局のあり方をモデルにしています。アメリカやイギリスでは処方せん調剤だけを扱う調剤薬局は少なく、ドラッグストアの中に調剤薬局がある形が普通なのです。
時間に制限がある薬剤師でもそれがネックで採用されないということはありません。
ただし、ほかの従業員から「あの人だけ時間きっちりで帰れるなんて不公平だ」というような嫌味を言われる危険性はあります。
ドラッグストアでは、一般職の人に比べて薬剤師の給料は月10万円~15万円以上高いです。それは薬剤師手当が支給されるためですね。
その分、一般職はサービス残業になっていることもあります。このような状況では、当然わだかまりが発生します。だからこそ、しっかり企業の内情を把握する必要があります。
様々なメリット、デメリットがあるドラッグストア薬剤師。今回は特にいろいろな不安要素についてまとめてみましたが、安心してください。
入った後にもし人間関係でうまくいかなくても、逃げ道があります。
多くのドラッグストアは店舗がたくさんあります。
大手なら1,000店舗以上にも上ります。
企業や病院だと環境を簡単に変えることは難しいかもしれませんが、ドラッグストアなら簡単に環境を変えることができます。そのため環境が合わなくてもいきなり退職まで追い込まれる心配が少ないのです。むしろ、そこまで悩むくらいだったら異動すればいいやくらいに考えておいたほうが上手くいきます。
◆リクナビ薬剤師