米Amazonが処方箋事業を開始するのでは!?といったニュースを、聞いたことがありますか。
調剤薬局勤務の薬剤師の方は、ぎょっとするニュースですよね。ただ、日本国内ではまだネットのみでの処方箋調剤は法律的には認められておらず、すぐの実現はしないでしょう。
しかし、すでに、アマゾンジャパンでは2017年4月から、第一類医薬品の販売は開始されている現状。
OTCを扱うドラッグストア勤務の方であれば、「うちの店舗より金額が安いからそのうち顧客をを奪われるのでは……」なんて、ヒヤリとされているのでは。
目次でわかるAmazon医薬品
2017年11月現在、Amazonで販売されている第一類医薬品は約80種類あります。どのような流れで販売されているのか、現状を解説していきましょう!
アマゾンジャパンは、Amazon.co.jpの「医薬品・指定医薬部外品」カテゴリーで第1類医薬品の販売を、2017年4月17日より開始しています。
日本では、薬機法改正によって2014年6月から、一定の条件を満たした店舗に限り、インターネット販売が可能になっています。しかしまだ国内では、ネットでの医薬品販売はそこまで浸透していません。
アマゾンでは法改正後の15年9月から一般用医薬品(第2類、第3類医薬品)を販売。2017年4月からの第1類販売の拡大によって購入できる医薬品は約4000種類にまで広がりました。
第一類取り扱いとほぼ同時のタイミングである4月18日に、アマゾンジャパンはドラッグストアのココカラファイン、マツモトキヨシ、百貨店の三越日本橋本店との提携を発表しました。
これは、プライム会員向けの短時間配送サービス「Prime Now」においての定型です。コスメ・美容用品と惣菜・和洋菓子など約1万点。都内一部では二時間の指定便も可能なのです。
Amazonで第一類医薬品購入の流れ
第1類医薬品のご注文は、担当薬剤師による適正使用の確認が完了してからの商品発送となります。薬剤師が適正使用でないと判断した場合には注文をキャンセルさせていただきます。ご提供いただいた情報の内容によっては薬剤師より直接確認をさせていただく場合がございます。
注:
- 薬剤師が適正使用でないと判断した場合には注文をキャンセルさせていただきます。
- ご提供いただいた情報の内容によっては薬剤師より直接確認をさせていただく場合がございます。薬剤師より「第1類医薬品の適正使用のご確認について」というメールをお受け取りになられました場合は、メールに記載されている指示に従って、薬剤師より説明を受けてください。一定期間内に適正使用の確認が完了しない場合は、適正使用の確認が完了しない第1類医薬品を含むご注文に含まれる全ての第1類医薬品のご注文をキャンセルさせていただきます。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/....
「アマゾンジャパンでは2015年9月から第2類・第3類医薬品の販売を行っており、その際に『Amazonファーマシー』として在庫を持つ場所を実店舗として既に登録している。アマゾンジャパンが薬剤師を直接雇用し、常駐させている。また医薬品ごとに問診(ご使用者状況チェック)の内容を変え、薬剤師による適正使用の確認に利用している」(アマゾンジャパン広報)
テッククランチの質問・回答より引用
http://jp.techcrunch.com/2017/04/19/amazon-starts-to-sell-medicines/
日本国内においては、2017年時点で、ネットのみの処方箋調剤は法律的には不可能です。しかし、医療介護の人手不足により、OTC医薬品のように、処方箋調剤もネット解禁!と、法改正で状況が変わる可能性はあります。アメリカ本土で蓄えたノウハウをもとに、日本での処方箋調剤にAmazonが参入してくる未来は、すぐ近くにやってきているのです。
Amazon参入のみならず、調剤報酬改定やAIの登場など、薬剤師のまわりの状況はどんどん変化していっています。今後どんな薬剤師が生き残るのでしょうか?遠くて近い未来の調剤について、予想していきましょう。
電子薬歴、レコセンなど、情報化社会の発展に伴って薬局経営も変化してきました。
近い将来はどうなるのでしょうか。実は、もうすでに世の中には、自動で薬剤をピッキングする機械や、薬歴の書き方を提案するAIもいるのです。
しかし、AIが発達した未来を予想した様々な論文・本などでも、「対面での仕事は最後までずっと人間が行うことになるだろう」と言われているのをご存知でしょうか。
薬剤師が対面で薬を手渡すときのヒアリングや、在宅医療で医師と一緒に患者のもとに訪れて、医師・看護師とは違った目線で患者の治療を評価する、といった対人業務は、ずっと必要とされることでしょう。
調剤報酬の改定で、在宅対応が加算されるなど変化があれば、薬局経営側から求められる薬剤師像も変わってきます。目の前の患者のみなさまへの真摯な対応だけでなく、経営目線・採用目線も考えられる薬剤師は、どんなに状況が変わっても必要とされる薬剤師であることには間違いありません。
こうした情報は、日々経営者や採用担当者とコミュニケーションをとっている転職エージェントもよく周知していることです。信頼できる転職エージェントを見つければ、世の中や経営状況が変わっても、働き続けられるので、ぜひ1人でも、「あなたが信頼できる」担当や会社を見つけてください。