現在、全国の薬剤師の男女割合は4:6で半数以上が女性薬剤師となっています。
年々薬剤師国家資格の合格者を輩出している状況の中、女性薬剤師の数も増え続けているという事が言えるでしょう。当然、女性であるが故の問題も薬剤師という特殊な職業の中で考えていかなければなりません。
さらに厚労省は2017年1月に男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正され、
妊娠出産、育児を理由に不当な解雇や配置換えを違法とすることになりました。
そんな中、産休や育休を取得したあと復職や転職に悩む女性薬剤師も少なくありません。
育児を優先すべきなのか?両立はできるのか?など、どのような問題が待ち構えているのかを、
先輩ママ薬剤師のリアルな話を元に検証してみましょう!
目次で分かる復職と休職
初めての出産で、産休後の復職に不安を抱えている女性薬剤師の方も多いと思われます。
復職問題を例に挙げて見ていくと、
女性薬剤師のパートナーとしては同業者もしくは同業界が多いと言われています。
特にMRのパートナーが圧倒的だとされているので、当然転勤を容赦なくせざるを得ない状況となります。それが産休育休のタイミングと重なることも多々あるようです。
慣れている職場で復職をしたいけど、パートナーの転勤があるがために産休育休明けに転職をしなければいけない状況になってしまうのです。知らない土地に知り合いもいないし、子育てもしなければいけないのにましてや転職なんてどうしたらいいのか迷ってしまいますよね。
薬剤師は売り手市場とはいえ、どんな働き方を選ぶかによってメリットデメリットが変わってきますのでポイントをしっかり押さえておきましょう!
産休産後の働き方で代表的なものは「正社員・派遣社員・アルバイト(パート)」がほとんどです。もちろん、育休産休後も正社員というのが1番良いと言われていますが、家庭や子育ての両立となると現実的に考えて厳しいのが現状です。
同じ労力を使うならば賞与もある正社員が良いと言う方も少ないでしょう。
まだまだ稼げるうちは稼いでおいて、将来の貯蓄を考えたときには最も最適な働き方です。
時間に余裕がない時もあるかもしれませんが、正社員としてのキャリアを積めば、
圧倒的に転職をしやすくなりますし、福利厚生も子供が小さい時には非常に助かります。
しかしながら、現実的に保育園に通わせながらの両立は難しいケースが多いんです。
毎日18時までにお迎え、育児家事との両立、子供が体調不良になった時に休みづらい…
中には理解してくれる職場もありますが、子供が小さいと煙たがられることも少なくありません。
今は、子供の行事や体調不良も、企業はそれを理由に解雇することは出来ないという法律はありますが、現実的にはそんな甘くないといったところでしょうか。
いろんな面を考えると子供が産まれても正社員で働くのが理想的ですが、両立するのはかなり大変と言われています。同じような立場で働いている薬剤師がいる職場は理解されやすいので、転職時にはチェックして下さい。
薬剤師も同じ職種ならではの人間関係に大きな拘りがあります。
そんな煩わしいことは嫌だと言う方は派遣という働き方で乗り越えましょう。
当然のことながら契約期間が存在するので、嫌な職場にあたってもあと少しの辛抱だという気持ちになれます。辞めたい時に辞める事ができるということです。
また、働く条件(時給、拘束時間、週何回勤務など)が決まっているので自分のペースで働くことができます。家庭や子育てと両立するために週4回だけ働きたいというワガママもOKです!
子供の行事があっても休みやすい、なんてこともプラスポイントですね。
しかし、いつ契約を打ち切られるかは分かりません。
派遣社員は正社員が決まるまでの穴埋めの場合は決まり次第切られますし、職場の上司に気に入られなかった場合でも終了になってしまう可能性があります。契約が打ち切りになった場合、転職活動をしなければいけないので意外と面倒…
メリットが多い分、正社員の経歴に穴が開いてしまうことや、
職場都合で契約を打ち切られることもありデメリットもつきまといます。
子育て優先になるようならば、パート勤務で働くことをオススメします。
薬剤師の仕事は時間給に換算すれば1日数時間で、一般職の2倍とも言われます。
午前中だけ働いて、午後からは家事や子供と一緒に過ごしている生活リズムでも、
収入的には事務職でフルタイム勤務と同じと言う訳です。
正社員薬剤師のフォローや、一包化など雑務も多いと言われていますが、管理などの責任は負わなくてもいいので精神的に楽と言えるでしょう。
さてさて、産休育休後のキャリアを考える時に転職をした方がいいのか復職をした方がいいのかどっちがいいのか…まずはアンケートを取ってみました。
産休前に辞めると決めていても、育休が終わるまでは会社に何も伝えないケースが多いのです。手当等を考えれば、確実にどこかに属していた方がいいので「転職したい」と伝えるのは育休明けに会社に伝えます。
<メリット>
子供を抱えて新たなキャリアを築いていくので、それなりの働き方を選ぶことが出来ます。子供を抱えた薬剤師の多い調剤薬局を選ぶ等の条件面をクリアできれば、育児との両立も比較的簡単に叶えられるでしょう。
<デメリット>
産休育休を取得後に離職をして、すぐに転職活動をしなければならないので小さな子供を抱えて行動しなければなりません。急に辞めるとなると職場の人から冷たい視線が気になったり、面接に行く際にも子供を預けなければならないことなど、ネックになることが多く発生します。
<メリット>
同じ会社にそのまま復職するので人間関係に悩むことがないでしょう。知っている顔ぶればかりなので育児のストレスも職場で発散することが出来ます。また、常勤からパート勤務に切り替えて働くことを経営者に打診出来るのも魅力のひとつです。
大手チェーン店のドラッグストアでは産休育休後のキャリプランがしっかりと出来ているので、安心して復職する人も多いと言われています。
<デメリット>
復職前は管理薬剤師でバリバリ働いていたけど、産休育休後は少し事情が違ってくる人がほとんどです。ある程度の責任を負うリスクを視野に入れておかなければ、仕事と育児の両立は難しいでしょう。収入面や役職などもダウンしてしまう覚悟はしておくべきです。
考えられる探し方は、
・ハローワークに行く
・知人に紹介をしてもらう
・転職のアドバイザーに相談をする
この3つが代表的と言われてます。
ハローワークで求職者登録をする際に企業からの「リクエスト求人」を受けることを了承しておきましょう。リクエスト求人とは、ただ求人を検索して応募するよりは非常に効率的で待っているだけで、希望の企業からのお声がかかるといるシステムです。
特に薬剤師の求人となれば非常に希少となることから、薬剤師を募集している病院や調剤薬局からのリクエストはかなりあるでしょう。
特にお子さんを抱えた方の就職には、マザーズハローワークに相談してみる事をオススメします。
保育園事情やお子さんの為の働く環境も相談できます。
まずは、ハローワークの人達は素人集団だということです。ハローワークは仕事を紹介するのが仕事になるので、紹介して面接にさえ行ってくれればそれで満足します。
求める条件と合っているか、職場環境はどうなのか、理解ある職場なのか…ハローワークの職員からしてみると紙に載っていることしかわかりません。それで衝撃的な一言を言われます。
「まずは面接に行って下さい。そこでいろいろ質問をしてください」と…
まだあります!
ハローワークは基本無料です。掲載する方もお金はかかりませんし、採用したからと言ってお金が発生するわけではありません。だからブラックな職場の求人も混じっているのです。
転職会社に薬剤師を依頼すると、1名で100万円近くの成果報酬を払わなけれないけません。転職会社はブラックな職場を紹介してしまうと評判が落ちてしまうために、ある程度の審査があるんです。
ハローワークにある求人すべてが良くない求人というわけではありません。無料な上に掲載するための審査はほとんどないので、職場環境が悪かろうか、すぐにやめてしまう環境だろうが求人をだすことができてしまうのです。
薬事業界といえども製薬会社や調剤薬局も含め、非常に幅広い守備範囲でコミュニティが形成されています。そんな中転職しやすいと言われている薬事業界の「コネ紹介」での薬剤師の転職は頻繁に見受けられています。
実は知人の紹介の調剤薬局に転職しました、という話は珍しくないんです。
知人の紹介なら早いですし、面接も決まったようなものなので気が楽なのは確かです。
しかし辞める時のことを考えてますか?
仮にいい職場だったらいいかもしれませんが、合わなくて辞めるとなった場合に紹介してくれた知人との関係にヒビが入るのは避けられません!
これも絶対にNGというわけではありません。
求人ありきの話しになってしまうので雇用条件をしっかりと詰めておく必要があります。あとで聞いてなかったということにならないように気を付けておきましょう。
最後に紹介するのは転職会社のアドバイザーに相談をしてみるということです。
やはり、これが1番オススメできます。
全国展開している転職エージェントは調剤薬局を運営している会社が多く、専門のコンサルタントが在籍しているので履歴書の添削や自己分析など様々な角度から支援を受けることが出来ます。
本来ならば一人で行うべき転職も転職エージェントにかかれば二人三脚で内定まで導いてもらえます。産休育休の転職実績があるエージェントも多数あり、そこは積極的に聞いてみるのもありです。
転職会社は紹介をして働き始めないと売り上げにはつながりません。だからある程度の条件は交渉してくれたりしますし、産休育休の人が働きやすいような案件はいくつも抱えています。
転職会社も多数あるので、自分に合ったサービスを見つけることも必要です。調剤薬局に強い、女性の復職に成果を出す等のアピールポイントがあるのでどこでも良いってわけではありません!
次は業界人がオススメする転職会社を紹介します!
◆マイナビ薬剤師
・安定の集客動員数は業界No,1
就職支援に関しては王道ともいえるマイナビエージェントです。その蓄積された転職ノウハウを薬剤師の転職にも如何なく発揮し、幅広い業界から多大な信頼をうけています。
イベント数も業界トップであり、全国展開していることから年間を通してのべ何万人もの薬剤師のセミナーを執り行っています。薬剤師に特化しているエージェントが少ない地方にも強く、幅広いネットワークで構成されています。
・丁寧な面談がプロフェッショナルを感じさせる
とにかく丁寧かつ親切な対応をしてもらえます。薬剤師という特殊な職業に対して理解が深いコーディネーターが対応してくれることが多いです。メールのレスポンスも早く、取りこぼしがないことが信頼関係を安心して築けるのではないでしょうか。
◆薬キャリ(エムスリー)
・薬キャリと言えばスピード対応の代名詞
とにかく紹介から成約までのスピード感は業界No,1と言えます。クライアント数は大手病院から調剤薬局、ドラッグストアまで多岐に渡ります。マーケットの幅広さだけでなく、アフターフォローも非常に優れています。
・面談に王手!丁寧なコミュニケーション
薬剤師の一人一人、本当に丁寧に寄り添ってくれます。面談には遠方からでも必ず同席してもらえるので本当に信頼できるクライアントへの紹介かどうかが分かります。
フットワークが軽く、電話一本でいつでも飛んで来ると評判です。薬剤師に寄り添い、薬剤師の立場になって考えてくれる頼りがいのあるコーディネーターが多数在籍しています。
◆ファルマスタッフ
・調剤薬局はファルマにお任せです!
大手調剤薬局を運営している転職エージェントです。勤務地、規模に関わらず調剤薬局の案件を多数抱えている転職エージェントの中でも非常に信頼性があると言えるでしょう。特に門前の病院やクリニックに関する情報までもきめ細やかな対応が好評なエージェントです。
病院と違い調剤薬局はその規模から薬剤師が経営者となる場合が多く、採用まで全て取り仕切っています。そんな経営者兼、管理薬剤師ともコミュニケーションを良好にとれるように社員全般に教育を行っているのです。いかに調剤薬局からの支持を得ているかが分かりますね。
・キャリアコンサルタントの質が違う
ファルマスタッフのキャリアコンサルタントは、元医療従事者が多いと言われています。キャリアの相談にのる際には、出来るだけ面談という手段を使い直接顔を見て話をしてもらえます。とても気さくなコンサルタントの方が多いので小さな悩みも相談しやすいですね。
1人で転職活動をするよりは転職エージェントをつかったほうが効率的だと言えるでしょう。
最大のメリットとはプロのアドバイザーが徹底的にサポートしてくれることです。
アドバイザーとの面談で自己分析や他己分析を行い自分では知らない自分を発見し、
自分が持つ本来の強みをいかに発揮できるかを相談することが出来ます。
面接に同行してもらったり、返答に自信がない時には面接時に側でそっと助言してもらうこともあります。履歴書の添削や、面接時のマナー等も教えてくれるので利用しない手はないですよね!