薬剤師という職業に就いた時、その働く場所は様々ですが、結婚や出産を機にパートや派遣を考える人も多いでしょう。最近では65歳を過ぎてパートを選択する人も増えてきています。
パートや派遣の時給事情はどうなのか?と気になる方もいるでしょう。
ここでは時間給で働く薬剤師にフォーカスして雇用形態はパートがいいのか派遣がいいのかを徹底検証してみたいと思います。
もっと時給を上げたい!けどどうしたらいい?と思っているそこの迷える薬剤師のあなた!パートと派遣はどっちがお得?なんて考えているそこのママさん薬剤師!
まさにこのコラムを読めばモヤモヤはすっきり解消です!
派遣 | パート | |
---|---|---|
病院 | 2,500円~3,000円 | 1,800円~2,300円 |
調剤薬局 | 2,500円~3,000円 | 2,000円~2,200円 |
ドラッグストア | 2,500円~3,000円 | 2,300円~3,000円 |
次は月収・年収をチェック!
仮に2,300円の時給で1日5時間、週4日のパートだったとします。
【月収】時給2,300円×1日5時間×月に16日勤務(週4日)=184,000円
【年収】184,000円×12ヵ月=2,208,000円
通常職業のパートであれば半分以下の収入と考えて間違いないでしょう。パートでここまでもらえる職業は薬剤師以外にないと言っても過言ではありません。
薬剤師の時給というのは都道府県によって多少の差はありますが、それよりも薬剤師が集まりやすい職場かどうかで大きく時給が変わってきます。要はすぐに集まる場所は時給が平均的で通いにくいなかなか薬剤師が集まらないという職場は時給が高く設定されています。
具体的に言うと…
・人気がない時間帯の求人(夜中や遅い時間帯など)
・駅から離れていて通いにくい職場
・人が集まりにくい調剤薬局など
一般的には大手の有名な調剤薬局やドラッグストアは平均的な時給で集まるのでそこまで高くありません。それでは職種別に特徴を見ていきましょう!
平均時給:1800円~2300円
病院となると急性期か否か、公立か私立かでずいぶんと差が大きくなります。
当然、公的機関ともなるとパート薬剤師の時間給の相場が1800円といわれているだけあって少し低めの金額となります。
2,000円を切ってしまうと多業種でももう少しもらっている人も多くいるので、本当にパート薬剤師として身入りを多くしたい人には病院は向いていないと思われます。
平均時給:2,000円~2,200円
調剤薬局に関しては全国的に平均して相場が安定しています。
これは、競合が多いことや薬剤師の需要が過多であるが故にある一定のラインを設けているとも言われています。
確かに調剤薬局に転職を希望するパート薬剤師は大勢いる中で、同じ時間給ならば環境で選ぶ人が増えてくるのが当たり前になりますよね。
薬剤師の働く環境改善を考えると時間給の相場が関係しているのも「納得」ではないでしょうか。
平均時給:2,300円~3,000円
ドラッグストアでは意外にパート薬剤師が高時給なのは周知の通りですが、当然それに見合った業務内容になります。
パート薬剤師なので転勤はさすがにありませんがOTCが非常に多いので棚卸の手伝いや在庫の確認などの雑務を言い渡されるのもパート薬剤師の役目となります。
それも考慮した時間給のベースアップも比率がよく2~3年で3,000円近くにはなる人も多いのが現状です。
そのかわり、一般のパートさんも多いために人間関係が煩雑でそれなりに苦労があるので時給が高くても精神的に大変という声も少なくありません。
派遣薬剤師となれば派遣元である薬剤師の派遣会社に値段交渉もお任せ出来るので楽ちんですよね。病院薬剤師やドラッグはパート薬剤師とほぼ変わりなく、派遣の相場は決まっています。1つ言えるのは、パート薬剤師よりも派遣の方が確実に時給が高いこと。
期間を決めて派遣を利用するのではあればパートよりも賢い働き方と言えます。
派遣は雇う側からしてみたらコストがかかり、できるだけ避けたい雇用形態です。ですから変わりのパートが見つかれば契約終了ということもあるので、デメリットの認識もしっかりしておきましょう。
一方で、管理ができて認定を持っているとなれば時給3,000円超えは期待できるのです。地方の小規模だけど年商億単位の調剤薬局では4,000円以上を望むことも可能だと言われています。
門前の調剤薬局ではドクターの休憩が12:00~15:00くらいまであるため、営業はしているけど処方せんがほとんど来ないのが現実です。
当然、経営者となればこの時間帯にパート薬剤師の勤務が重なることは避けたいのが心情です。この暇な時間帯に出来る事は事務員がやってのけるし、特にすることもないので常勤薬剤師だけで店がまわると言っても過言ではないのです。
調剤薬局のパート薬剤師として時間給アップを望むのであれば朝の忙しい時間帯か、夕方からの時間帯に積極的な姿勢を見せることで可能になるのではないでしょうか。
薬剤師と言えどもひとくくりにして言えば接客業なのです。パートであろうが常勤であろうが、土日勤務がもれなくついてくることがデフォルトなのです。
パート薬剤師だから、土日は入れません!となると時間給どころか雇用の有無さえも問われてしまうのです。
もちろん土日にパート薬剤師として入れば、時間給も割り増し料金だし患者も少ないし一石二鳥といえます。時間給アップに難色を示している経営者でも土日出勤できるか否かで時給をアップが可能になるんです。
薬剤師としてある程度のキャリアをお持ちのパート薬剤師の方も大勢います。
そういった薬剤師は、薬の科目数経験が豊富なので、パート薬剤師として調剤薬局や病院でもとても重宝されるのです。調剤薬局だと平均して1,500科目あれば時間給アップの対象になると言われています。
当然、採用時から時間給を高めに契約することも可能なので十分なアピールポイントになることは間違いないと言えるでしょう。
特に、在宅経験があるパート薬剤師には投薬のほかに在宅手当なる特別報酬が期待できるので、ベースアップ時期には交渉してみることをおすすめします。
さらには科目もさることながら後発品の取り扱いも柔軟に対応できるとなればベースアップの対象に当然なると思われます。
派遣会社に登録してある調剤薬局やドラッグストアの経営者や人事がそのカギを握っているのです。年棒制にしても薬剤師は高額なので当然派遣となればそれに見合う時間給となります。
しかしながら、経営学やマネジメントを勉強している経営者ばかりではありません。中には素人同然の薬剤師経営者がほとんどなのです。
どんぶり勘定で「まあこれくらいの時間給ならいいか」と、適当に決めていることも多々あるのです!派遣会社が言われた通りに時給を設定している調剤薬局やドラッグストアも多くあります。
薬剤師業界も慢性的な人手不足なので、当然のことながら需要はあるわけです。派遣と言えども、次の代わりの薬剤師がすぐに見つかる保証がどこにもないので居てもらわないと困ります。
ここで派遣薬剤師の時間給の交渉は管理を任されたりしていれば尚の事、100円単位であればすぐに上げてくれる可能性が高いと言えるでしょう。さらには一人薬剤師になってもよいとなれば時間給はアップすることが間違いありません。
まず大事なのは仕事を引き受ける最初の段階でしっかりと交渉をすることです。働き始めてから交渉するよりも可能性としては何倍も高まります。
その時は、
「他の派遣会社から紹介されている仕事の方が条件が良い」、「〇〇円以上ないと即決できない」など決められない理由を派遣会社の担当者に言いましょう。雇う側もそこまで時給についてはうるさく言わないですし、それで断られてしまう方が痛手です。
派遣会社側も決まると決まらないでは売り上げが大きく変わってきてしまうので、100円の利益を削ってでも決めたいのが本音なんです。
但し、派遣会社側から時給アップの相談をしてくることはほとんどありません。というのも派遣会社にとっては時給のアップは交渉などが必要となり面倒なのでしたくなく、何も言いださなければ同じ時給で進むでしょう。
パート薬剤師の場合は雇用継続が保証されているので、今現在の時間給が低くても毎年のベースアップで総合的に受け取る金額は派遣を上回ると言えるでしょう。
やはり、接客業とも言える薬剤師のお仕事なので、土日や時間外の勤務だとさらに時間給も上がります。
明日、解雇される心配がないので精神的にも安心して勤務することが出来ることが時間給の低さもカバーできるのではないでしょうか。
扶養範囲内でも時間給が良い土日だけの勤務でも育児との両立が出来るのもパート薬剤師の魅力の1つです。
派遣薬剤師の場合、時間給はとても高いのですが、長期雇用となれば話は別です。おおよそ数カ月単位で更新の話があるので、来月いきなり更新ナシと言われる可能性も高いのです。
そうなればいくら時間給が高くても年収、生涯年収を考えれば派遣薬剤師も「一発屋」と呼ばれても致し方ないかと思います。
そうなる背景にも、今はどこの病院やドラッグストア、調剤薬局ですらM&A化が進み経営難に陥り、人件費削減に真っ先にメスが入るのが派遣薬剤師なのです。
直接雇用の交渉も派遣会社が率先してやってくれるとは思えません。なんせ派遣会社も商売なのでいかに派遣薬剤師で利益を上げるか否かにかかっているのです。
パート薬剤師も派遣薬剤師も時間単位で働くことには違いはありません。
両方ともメリットもあればデメリットも明確にありますからポイントを押さえることが重要になってきます。また時給アップを狙う際は、パートでも派遣でも『働き始める前』が最も時給アップの可能性が高いでしょう。
どちらの雇用形態を選ぶにあたっても転職サイトのアドバイザーに相談してみることをオススメします。地域事情に詳しいので、時給相場や穴場の職場なども教えてくれるでしょう。