調剤薬局業界3位であるさくら薬局(クラフト株式会社)。全国に654店舗あり、企業として店舗拡大に非常に積極的であることから今後さらに店舗の数は増えていくだろうと評判の調剤薬局です。
昨今、調剤薬局として発展していくためには地域と深い連携を取ることが必須で、同社も他社と同様、在宅支援や地域イベントなど積極的に行い、地域密着型を狙います。
そこで今回はさくら薬局(クラフト株式会社)に転職を考えている方の為に業界人が徹底解説!将来性、給料面、働きやすさなどを丁寧に解説します!
目次タイトル
47都道府県すべてではありませんが、全国に654店舗(北海道~佐賀)を展開するさくら薬局(クラフト株式会社)。店舗拡大に非常に積極的であるが故、今後も増え続けることが予想されます。
社名:クラフト株式会社 |
本社所在地:〒100-8225 東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル10階 |
代表者:代表取締役社長 森 要 |
設立:1982年10月 |
従業員数:3,205名 |
売り上げ高:1,680億円 (2017年3月期) |
事業内容:薬局経営 |
出店数:654店舗 |
出店地域:全国 |
さくら薬局(クラフト株式会社) 事業一覧 |
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・24時間処方箋受け付け体制 ・在宅介護支援 ・市民講座 ・節薬サービス ・特急調剤サービス |
さくら薬局(クラフト株式会社)、転職時の年収の例 |
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・正社員 年収:430~600万円 ・パート 時給:2,000~2,300円 |
さくら薬局(クラフト株式会社)の年収は430~600万円ほど。この規模の企業で言うと高くもなく、安くもない「普通」の年収ですが、業務内容、そしてそれに対しての休みの量を考えるとバランスの取れた雇用といっていいでしょう。
24時間処方箋受け付け体制を取っており、尚且つさくら薬局独自のサービスもあるので忙しそうな印象ですが、一日8時間のシフト制を導入していて残業代も出るのでサービス残業はほぼ無いようです。年間休日も126日と平均より多め。
ドラッグストア | 平均年収 | 平均年齢 |
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マツモトキヨシ | 732万円 | 45.0歳 |
サンドラッグ | 514万円 | 32.5歳 |
スギHD | 645万円 | 39.2歳 |
ツルハHD | 784万円 | 44.2歳 |
ココカラファイン | 643万円 | 44.3歳 |
カワチ薬品 | 509万円 | 33.2歳 |
また、福利厚生は各種社会保険はもちろん完備ですが、特筆すべきは育児休暇で最大2年取得可能。該当する方は100%取得しています。逆に、介護休暇などその他の休暇に関しては記述がありません。
とはいえ、残業の多さ、有給の取りやすさは各店舗、地域によって大幅に異なるので転職する際はよく注意して臨みましょう。
まず「節薬サービス」とは、家で使い残した薬や、なんの薬かわからないものを店舗に持ってきて頂き、薬剤師が一つ一つ確認して分別・整理するサービス。お客様に適切な薬管理をして頂くとともに、医療費を無駄にする事の無い様に、薬剤師が薬の判別をします。
余った薬などの処理は他の薬局も行っていますが、このようにいちサービスとして確立しているので、働く際の業務として大幅に食い込んでくるでしょう。
そして「特急調剤サービス」は3薬品以内の処方なら混雑時でも厳密10分以内に薬を受け取れるサービス。取り入れているのは全店舗ではなく限られた店舗のみとはいえ、お客様にとっては良いサービスですが…
クラフト株式会社に在籍している薬剤師は1,617名、店舗の数654店舗で単純計算で2,5人。ひとつの調剤薬局に常駐している数としては平均的な数字です。
しかし、上記のサービス、深夜も営業、店舗拡大リソースの確保…、これらの事から、さくら薬局で働くことはなかなか大変であると言えるでしょう。門前が多いこともあり、店舗によっては一日に数百枚の処方箋を3~4人でさばくことも。
残業もサービス残業は少ないとしても30~40時間程度あると言われており、他企業より比較的多めです。 働いている薬剤師の中には「休日出勤は当たり前」なんていう方も…。
出典:http://www.kraft-net.co.jp/recruit/training/
教育体制としては、集合研修を通してメンター研修、管理薬剤師研修の後にマネージメント研修。自己学習や社外研修で在宅支援のセミナーや新薬勉強会などの研修を設けていますが、他の企業と比較して、キャリアアップを踏まえた内容、バリエーションとしては正直、「普通、もしくはそれ以下」と言わざるを得ません。
自社に優秀な薬剤師を確保すると同時に、薬局をより地域に根付かせるため、独立やフランチャイズを教育制度や資金で支援する企業も多い中、キャリアステップをあまり踏まえていない教育制度は意欲ある薬剤師にとっては若干の物足りなさがあるのではないでしょうか。
平成29年10月30日にクラフト株式会社はさくら薬局で処方箋調剤の不適切な取扱いがあったとして自社のサイトで発表しました。過去にクオール薬局、アイセイ薬局も同様の不正を行って行政機関の厳しい指摘を受けました。
ひとつの企業だけの不正ならともかく、3社続いたこの不正は、もはや薬剤業界の慢性的な病理と言えます。転職先ではこのようなことが常日頃、起こっていないかは絶対に確認しましょう。
非上場企業の為、IR情報などは公開しておらず経営状況はやや見えづらいですが、前年と比べ、現状売り上げはほぼ横ばい。今回の一件で今後、どのぐらい変動するのかも注視するべきでしょう。
さくら薬局(クラフト株式会社)は全国に654店舗を展開する調剤薬局。「節薬サービス」や「特急調剤サービス」など一風変わったサービスを展開し、尚且つ新規店舗拡大に意欲的な企業です。
しかし、昨今明るみになっている薬局内の不正がさくら薬局でも行われていたり、薬剤師の人員確保にやや疑問があったりと、転職を検討する際は注意が必要です。
もちろん店舗によって店内の雰囲気、残業時間は大きく異なります。ブラックな店舗を避けるために気を付けるべきポイントをまとめたので、このポイントを忘れずに面接、店舗見学を行ってください。
いつも求人を出している薬局なのか、今回だけなのか
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忙しいか、難しい仕事のケース大。高給の根拠をチェック!
キャリアアドバイザーは自分の意見を言ってくれる薬剤師、大歓迎!
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若くて長時間働ける人しか続かない職場かどうか、チェックできるポイント
若い人や転職者が馴染みにくい原因が隠れているかもしれないのでチェック
長い間うまく職場がまわっていて欠員なかったケースもある。
書類が溜まっていないか、整理整頓がなされているかなどチェック
薬剤師が疲れている職場は、環境が荒れていることも多い。
◆薬キャリ