「マツキヨが人材派遣サービスを始める!?」
「マツモトキヨシ」が、「調剤事業の強化、拡大」をスローガンに掲げて薬剤師の人材派遣、紹介のサービスを開始します。昨今、業界内に数々の異業種が参入してきているなか、「薬剤師自身がさらに患者様に寄り添う存在」になるため、マツキヨ独自の調剤ノウハウや技術で薬剤師を育成し、尚且つ正社員・派遣・パートと幅広い勤務形態から各企業に優秀な人材を紹介します。
そもそも今回のこの事業、薬剤師の資格を持ちながらも、家事、出産、仕事内容の過酷さや勤務形態の固定化によって仕事をしたくてもなかなかできない主に女性の「潜在薬剤師」が復職しやすくするために発足されたもの。
一体、どのような内容になっているのでしょうか? 「マツモトキヨシの派遣サービス」を徹底検証します!
目次タイトル
「マツモトキヨシファーマシーズ」はこれまでもドラッグストア「マツモトキヨシ」と同様に、「調剤薬局マツモトキヨシ」を運営し、局内で薬剤師の育成に取り組んできましたが、それはあくまで自社が運営する調剤薬局に於いての話でした。
しかし今回、「マツモトキヨシホールディングス」は一般派遣業と紹介業の認可を取得し、新たに人材派遣の事業を発足することによって他の薬局やドラッグストアにも有能な薬剤師を派遣、紹介し、薬剤師業界全体の強化や拡大を目指します。
今回のサービス形態は主に3つ、「人材派遣サービス」、「人材紹介サービス」、そして「紹介予定派遣サービス」です。
人材派遣サービス |
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派遣希望者が「マツキヨの派遣スタッフ」として就業する形態 |
人材紹介サービス |
求職者が「マツキヨ」を介して企業に紹介され、その企業の社員として就業する形態 |
紹介予定サービス |
直接企業に雇用されることを前提として一定期間「マツキヨの派遣スタッフ」とし企業にて派遣される形態 |
他の派遣サービスと同様、コンサルタントがまずは求職者にカウンセリングをしてくれ、その後のフォローもしてくれるそう。
派遣サービスや転職サイトを使用する際の大きなメリットは「業界を熟知しているコンサルタントにサポートしてもらえる」ことですが、それはこの「マツキヨ」のサービスも同様。しかし、派遣業界に参入して間もなく、尚且つ始まったばかりのサービスに於いてこのコンサルタントのクオリティはどれほどなのでしょうか?
「真偽はこれから…」としか今現在は言えませんが、その答えは現在掲載している求人数で判断できるかもしれません。
肝心の求人数は公開しているものは非常に少なく全て東京近郊の求人です。しかし、会員に登録すれば得られる「未公開求人」も用意しているそうです。しかし公開求人がこのように極端に少ないので現時点であまり求人の幅広さは見込めないでしょう。
「マツモトキヨシファーマシーズ」では厚生労働省・外部研修ガイドラインに乗っ取った研修を提供し、研修認定薬剤師の資格取得の支援を行います。人員確保と同時に専門性の高い薬剤師を育成することを目的とし、薬剤師自身も研修を通して知識を身に着け、自分に合った仕事、環境を探してもらおうというもの。
医薬品の基本的な知識や、薬事に関する法規と制度などの専門的な知識を得られる集団研修から、薬剤師にまつわる知識を実践的かつ総合的にまとめて自宅学習できるe-ラーニングでの授業も用意。
補助金の有無や細かなカリキュラムはまだ公表されていませんが、他の企業で自費で研修に参加している薬剤師の方や、これから知識を蓄えていきたい方にとって、「マツキヨ」が長年培ってきたノウハウを研修によって所得出来ることは非常に有益でしょう。
昨今、薬局やドラッグストアの数が全国的に大幅に増えてきていることもあり、慢性的な「薬剤師不足」が起こっています。その中には薬剤師がたった一人しかいない薬局も多く、ひとり一人の仕事量が増え、給料も見合わず「ブラック薬局」になってしまっているところも。
しかし、その現状を危惧して問題解決に取り組むのがこの「マツモトキヨシホールディングス」。パートや派遣などの雇用形態から広く薬剤師を募集することによって薬剤師不足を解消しようとしています。
さまざまな異業種が薬剤師業界に参入している今、このように「当事者」が薬剤師の確保に取り組む姿勢は業界内で非常に期待されています。
また、懐疑的な意見はさほどありませんが、「マツキヨ」が紹介する求人だけに「ドラッグストアや併設の調剤薬局が多いのでは」という声もあります。ドラッグストアはレジや陳列など他の業務もあり、調剤に専念できないイメージがありますが、実は非常に融通が利き、尚且つ給料も比較的高い勤務先です。
また、今回の事業はライトな環境で時間に融通を利かせて働きたい「潜在薬剤師」をメインターゲットにした事業であるので、ドラッグストアや併設の調剤薬局で働きたい人には有効なサービスでしょう。
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